Right-Hands Mix Owner's Blog

ショートショート「ロッキーの眠り」

絵・Akko 文・Konoha

「キャンピングワールド」という木の看板が見えたら、5分ほど木立の中を歩くと、その小屋が見えてくる。小屋の庭には、二人掛けのテーブルが3つ、5人掛けの円卓が一つ置かれていて、ゆっくりコーヒーとサンドイッチがいただける。この日も1組のカップルと学生グループがゆっくり初夏の午後を過ごしている。小屋の目の前に広がるレイクへカヤックで出かけてゆく人もいた。そして、湖の浜辺沿いには、ポツリ、ポツリとキャンパー達がテントを張ったり、夕飯の準備をしたりして過ごしている。 「さあ、僕たちもテントを張ろう」ティンガロンハットをかぶったロッキーという名の犬が言った。一緒について来た4人の人間が水辺にすぐ行ける、少し小高くなっているスペースにテントを張り、木の切り株にテーブルクロスをかぶせ、ランタンや薪を準備した。ロッキーは、湖畔の草の上で気持ち良さそうに少し眠った。湖畔の風を感じているのかな、空にはもう満点の星が輝いているのに、ロッキーはじっと気持ちよさそうに、笑みを浮かべているように眠っていた。4人の人間は、焚き火を眺めながら食事をし、話しに夢中になっていた時だった、ロッキーが起きて来て、なぜか英語で “NEVER LOSE YOUR SENSE OF WONDER~” と言ってまた草の上で眠りに入った。  

-2022年5月28日に永眠した愛犬ロッキーを偲んで

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